「それが毒なんです。」new!

 アドラー心理学カウンセリングでオープンカウンセリングという型式があります。特に子育ての問題に多く使われていました。子育ても問題は、多くの方に共通する課題がほとんどですので、聴衆は自分のことのように聞くことができるので、一度に多くの人に効果が波及します。(それに対して、個別が強いテーマでは一対一のカウンセリングです。)
 かつて野田俊作先生がオープンカウンセリングで、「~それが毒なんですよぉ。」と言っておいでたのを思い出します。このとき、クライエントのお母さんも聴衆も大笑いするんです。
 アドラー心理学の子どもへの援助法はたいへん効果的な手法です。それはそうなのですが、実は気を付けなければいけないことがあるのです。それは、どんな効果的な方法でも援助する人と援助される人の関係がよくないと裏目に出るということです。また、子育ても目標、「自立する」「社会と調和する」を阻害することもいけません。これらを総じて毒と呼んだのです。
 で、何が毒なのかなのですが、なんとなく気付くこともあるでしょうが、”よかれと思ってしていること”の中にあるときは厄介なんです。また、その親子特有のものであることもあります。こんな場合は、ご自身では気付けませんのでカウンセリングが必要になります。

 野田先生が、「子どもを援助する前に、まずさしあたって毒ガスの元栓を閉めてくださいね。」とにこにこしながらお話になっていたお姿を思い出します。

ver.20240228