現代アドラー心理学
Well-being

カウンセリングみらいこどもみらい

COUNSELING MIRAI・KODOMOMIRIAI


   人生の意味は、自分が自分の人生に与えるものです。(A.アドラー)

アドラー心理学のキモ:「勇気」って何?

 「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」を通してアドラー心理学はにわかに知られるようになりました。著者の岸見一郎先生は、私たちと同じ日本アドラー心理学会公認カウンセラーです。先生がテーマにした「勇気」とはどんなことなのでしょうか。
「嫌われる勇気」と聞くと、ふつう「嫌われる」の方にアクセントを置いてしまって、嫌われる覚悟を持つ勇気かなと早合点してしまいがちです。

 さて、昔の話になるのですが、臨床心理学がこの世に起ころうとしていたとき、フロイト、アドラー、他3人は「心理学水曜会」(心理学についての議論をする会)を作り毎週水曜日に集うのですが、アドラーは当初からフロイトとは違う視点を持っていました。それを簡単に表すと、フロイトは「人間の行動には原因がある。」という基本的考え方から考えを組み立てようとしているのに対し、アドラーは、「人間(彼は個人と言いました)は『目的』に向かって行動する。」という視点で考えていた点です。結局、この溝は埋まらずアドラーは1911年にフロイトとの共同研究を断念し、彼のもとを去り、個人心理学(アドラー心理学)の提唱を始めるのです。(後日入会したユングも1914年にフロイトと袂を分かち、独自の心理学を打ち立てていきます。)
 それから、第一次大戦から復員したアドラーは、主に市井の戦争孤児や家庭そして学校の教師に向けて活動を始めました。その活動の中で、「問題を起こす個人は勇気をくじかれている。」と表現しました。要するに、問題を起こす人は、悲惨な過去や感情、またはその人の属性(性格や障害など)が原因で起こるのではなく、ただ1点「勇気」が出せないからなのだと言ったのです。そのときアドラー弟子達、観衆、患者は深く納得したのでした。それ以来、アドラーに続くアドラー心理学の研究者・治療者は、個人の問題を解決するための取り組みすべてをEncouragingと名付けたのですが、それを野田俊作が日本語にする時に「勇気づけ」と訳しました。「勇気」はここから来ています。

 したがって、当所の心理カウンセリングはもちろん、私たちの行動の一切はあなたに対する勇気づけです。もちろん、このホームページも勇気づけの一つの手段です。

 


 アドラー心理学実践講座は初歩的なアドラー心理学を一気に学べる機会です。しかし、どんな人も時間が経つと忘れていきますので、月1回の座談会にてフォローアップをしています。