人間を理解する時の基本原則 ②

-あらゆる行動には社会的な(対人関係的な)意味がある-

 人間はもともと社会的な生き物です。人間にだけあって他の動物にはない特徴は、人間はいつも何らかのグループに属しているということです。そして、その中で仲間と互いに影響を与えたり与えられたりして生活してきた生き物だということです。
 また、人間はグループの中にいて初めて、持てる力を発揮し、自分の特質を伸ばすことができます。一人前の人間になれるかどうかは、その人が属するグループのメンバーとして、うまくやっていけるかどうかにかかっています。
 したがって、人間を理解するには、行動そのものを見るのではなく、その行動が取られている周囲の状況や周囲との人間関係も一緒に検討するのが最もよいことです。人柄についても、行動についても、周囲の状況から切り離して考えてはなりません。(中略)子どもは、周囲から切り離された状態で生きているのではなく、周囲のものとお互いに関係をもちながら生きているのだと見なければなりません。
 問題が起こるのは、他の人との対立が原因です。対立が起こるのは、相手を自分の思いどおりにしようとする支配性やその人の攻撃性から生まれるのではありません。対人関係がうまくいかなくなったからです。子どもを観察するときは、子どもと関係している他者との関係に注目すれば、どの子がどんなつもりでそのような行動をしたかが分かります。