勇気づけの方法 ⑥「アドラーが目指した話し合う育児(中編)改」

ブナの落葉  ver.20241120

 アドラーが目指したのは民主的な話し合う育児法です。民主的な方法とは”話し合う”と”決める”という二つのフェーズがありますが、彼が育児の際に有用で良好に作用すると着目したのは”話し合う”の部分です。(もちろん、すんなり両者が喜んで合意ができれば、それに越したことはありません。)

 子どもが自身の身に起きている事象について考察できるようになり、人生に対する見通しがもて、その年齢に応じた責任を受け持って、自立を果たせるようになる(いわゆる勇気がもてる)ことを、話し合いの過程に期待したのです。

 話し合う育児をする際は、大人側にいくつかの準備が必要です。
 よい話し合いをするにはよい意見が必要です。子どもがその意見で勇気づけられなければなりません。意見を聞いてがっかりしたり勇気をくじかれては元も子もないからです。言うけど、この部分だけ言うということもあるかもしれません。大きくなると必ずしなくなることは、急ぐ必要がないことを知っている必要もあります。
 また、意見は相手に正しく理解される必要があります。意味が正しく伝わらなければなりませんが、あなたの意図も誤解されてはいけません。また、意見には意見が生まれますので、それに対応しなければなりません。これら一連の責任を引き受けなければならないのも、民主主義的子育ての特徴です。

「アドラーが目指した話し合う育児(前編)」
アドラーが目指した話し合う育児(後編)