アドラー心理学の基本前提「対人関係論」 New!
アドラー心理学は、「あらゆる行動は、対人関係上の問題の解決を目的としてデザインされ実行されるのだ」と考えます。
その人の行動の意味は、その人の対人関係にどのような影響を及ぼすかを探れば理解できます。この立場を『対人関係論』といいます。アドラーは、「ある個人に起こっていることがらを理解するためには、その人の他者に対する態度を考慮する必要がある。」と言いました。すなわち、対人関係にかかわる考察を抜きにしては、人間の精神生活を理解することはできないということです。
人間の行動のなかには、一見他者との対人関係とはまったく無関係で、自分自身の内的世界とのみ関係しているように見えるものもあります。そのような行動も、注意深く観察し考察すれば、その行動も対人関係の中でのみ意味があることに気付きます。
『使用の心理学』の立場から言うと、個人の行動とは、対人関係的な目標に向けて、自分の心と体とを対人的に使用することです。