プライベートロジックとコモンセンス

人間にはその人固有の価値(value)があります。それを作り出しているのがプライベートロジックです。私的論理といいます。それに対して、世間一般に通用する価値もあります。こちらはコモンセンスと呼びます。一般に良識とか常識と訳されていますがアドラーはコモン:commonのもつ”共通”というニュアンスをもって語りました。
人間はコモンセンスだけで生きていくことはできません。必ず自分独自のプライベートロジックを創ります。ですから、あなたも独自のプライベートロジックのセットを持っています。それがあなたらしさを作っています。しかし、問題が起きるときもこれが一枚絡んでいるでしょう。
人と人が関係するときに、コモンセンスを上手に摑むことを「空気を読む」などと言うようです。空気を読まないと集団では苦労するでしょう。コモンセンスは持っていると便利です。ただし、便利なだけです。コモンセンスは決して万能な真理ではありません。
対人関係に問題がある場合は、お互いのプライベートロジックが問題になっていると考えると分かりやすい場合があります。人と関係するときには、コモンセンスを意識しつつ、お互いのプライベートロジックを上手に調整し合意を創りながら進んでいけるとよいですね。でも、これが難しいとなったとき、相手と対立して一気に突破しようとする傾向があると、生き辛くなってしまいます。逆に、自分だけが一方的に引き下がるのでもうまくいきません。
ということで、このへんのところがカウンセリングのテーマとなることがしばしばです。