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 子育てにお勉強の問題は付きものですね。
 親は、子どもに自分らしいその子らしい人生を歩んでもらいたいと思っています。子どもが目指す目標にたどり着くためにはお勉強が必要です。お勉強は究極的にはそのための手段になります。

 アドラーは教育に関するたくさんの仕事をしました。私の方でも、勉強に関して印象的なことがありした。
 カウンセリングに来談されているおかあさんと、「子どもはなぜ勉強しなければならないのでしょう?」という話題になったことがあります。ある方は考えたことがなかったようで、しばらくの沈黙のあと、「勉強をするのは、子ども自身のためです。」とおっしゃいました。「理由は他にありませんか?」と聞くと、それには言葉はありませんでした。その他のいろんな機会にこの話をするのですが、「子ども自身の将来のため。」「将来幸せな生活をするため。」などとよく似た反応です。
 このことにアドラーは、子育てには長期の目標をもつ必要がある。そうでないと目先のことに終始して子育てはういかなくなると言いました。
 もちろんお勉強にも長期目標が必要です。要するに、子育てが終わったときどんな大人に育っているかです。
 これについて、アドラーが再三述べたsocial interestという言葉が参考になります。
social interestは一般に「共同体感覚」という用語が使われていますが、直訳して「社会に対する関心」としておくと方が分かりやすいと思います。

 お勉強には、あなたが勉強をすることであなた自身が利益を得ることの以外=社会に関する意味があることを理解するべきだというのです。
 自分の利益に関心が偏っている状態を「自己執着」とか「利己」と言いますが、アドラーはこれらが様々な心理的問題の巣窟と見たのです。要するに、勉強についても「社会に対する関心」の面が育つようにという親自身の視点が大切だということです。

 そのためには、親自身がストーリー(物語)を持っているとうまくいきます。例えば、「あなたが勉強をしてある能力が付いていくことは家族にとってよいことだし、その能力を使って仕事をすることは自分が住んでいる社会を豊かにすることにつながるということ。そして、私たちは、社会のある仕事を担うことを通して社会に貢献できるようになるということ。その豊かで便利になった社会や幸福な人々と一緒にいると幸せになる。」というような物語です。
 アドラーはこのことを、「人が環境を作り環境が人を作る」と言いました。

 さて、難しい話はさておき、学齢期になると遊びと勉強と一緒に生活していくことになりますが、子どもによっては遊びにバランスが偏ってうまくいかないことがありますね。
 それでも、ふつうは小学1年生は勉強が大好きです。初めのころは、どの子もお勉強するぞと目を輝かせています。でも、ほどなくそのような機運はなくなり、大人が一生懸命かまってやらないとやらなくなることがあります。
 でも、小学4年までの子は親が変わることで驚くほどに変化することがあります。(小学5年以降は多少と手間と時間がかかるかもしれません)実は、これには取り組むべきことと、やめるべきことがあるのです。
 
 どうぞ、一度カウンセリングこどもみらいのカウンセリングにお越しください。

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